こんにちは。今回は、私が担当した「Exchange ServerからExchange Online(Microsoft 365)」への移行プロジェクトについてご紹介します。
オンプレミス環境からクラウドへの移行は、多くの企業が直面する大きなIT転換点です。本案件では、WindowsベースのExchangeサーバー環境を対象に、ハイブリッド構成を組みつつ段階的にExchange Onlineへと移行しました。
■ プロジェクト概要
本プロジェクトの目的は、オンプレミスのExchange環境を維持しつつ、Exchange Onlineへスムーズに移行することでした。そのため、Hybrid構成とEdge Transportサーバーを組み合わせたハイブリッド移行が採用されました。
私の担当範囲は、以下の通りです。
■ 担当した主な業務内容
● WAP(Web Application Proxy)サーバー構築
外部からの安全なアクセスを提供するため、WAPサーバーを構築。
ADFSと連携し、社外からの認証とセキュアなメールアクセスを可能にしました。
● Exchange Hybrid / Edge Transport サーバー構築
Exchange Onlineとオンプレミス間の連携用として、Hybrid構成サーバーをセットアップ。
インターネットとのメール送受信中継用にEdge Transport サーバーも構築し、セキュリティ面にも配慮。
● テスト仕様書作成
移行後の動作確認のために、
メール送受信テスト
オートディスカバリーテスト
カレンダー共有テスト などを含むテスト仕様書を作成・実施。
● 議事録作成
プロジェクトの進行に伴い、お客様との定例会や構成設計レビューなどの議事録を作成し、関係者間の認識統一を図りました。
● 移行計画書作成
メールボックスの段階的な移行スケジュール、影響範囲、ロールバックプランを整理し、移行計画書として取りまとめ。
移行作業に関するタイムテーブルやバックアップ戦略も含めて文書化。
● 各種手順書作成
管理者用手順書(Hybrid構成の管理手順、エラー対応フロー)
ユーザー向け案内(メール移行後のOutlook再設定ガイド)
といった、運用現場で即活用できるドキュメントを整備しました。
■ Exchange Onlineへの移行ポイント
今回の移行では、以下の点が特に重要でした:
既存Exchangeとの整合性を保ったまま、Exchange Onlineへ段階移行
ドメイン、証明書、SPF/DKIMなどの整備
ユーザー影響を最小限に抑えるよう、周到なテストと事前準備を実施
ハイブリッド構成により、ユーザーは移行を意識することなく、既存のOutlook環境をそのまま利用し続けることができました。
■ 最後に
Exchange移行プロジェクトでは、単にサーバーを構築して終わりではなく、「構築 → 移行 → 運用設計」までをトータルで考慮することが重要です。
今回のプロジェクトでは、要件に合わせてハイブリッド構成を採用し、クラウドシフトをスムーズに進めることができました。サーバー構築経験とドキュメント整備のスキルが活かされた案件となり、今後のExchange Online展開にもつながる良い経験となりました。