基本設計書とは
基本設計書とは、システム機能を具体化するために必要なもので、
要件定義の内容を元に、どのような画面になるか、などを定めるものです。
どのような要件の機能を備えるかを整理して、その用件をシステムに反映させることを基本設計と呼び、
基本設計に必要なのが基本設計書なのです。
サーバー基本設計書は、
システム開発において、サーバーの構成や機能を詳細に記述した文書です。
開発チーム全体が共通認識を持つために不可欠であり、後の開発・運用フェーズにおいても重要な役割を果たします。
基本設計書の項目
以下に某基本設計書の1例の目次を記す。
- はじめに
- 本書の目的
- 全体概要
- 用語集
- サーバ構成
- ハードウェア構成
- サーバハードウェア
- 負荷分散設定
- 可用性
- 拡張性
- ソフトウェア構成
- ADFS
- WAP
- AAD Connect
- ネットワーク構成
- ネットワーク設計
- DNS設計
- ファイアウォール設計
- ログ保存方式
- 監査ログ
- サイジング
- 監査ログ 退避方式
- バックアップ/リストア
- ADFS Server
- サーババックアップ方式
- サーバリストア方式
- ログバックアップ方式
- ログリストア方式
- WAP Server
- サーババックアップ方式
- サーバリストア方式
- ログバックアップ方式
- ログリストア方式
- セキュリティ
- ファイルレベルウイルス対策
- 認証設計
- Office365のアクセス制御
- アクセス制御要件
- デバイス制御方式
- アクセス制御方式
- ID同期設計
- ディレクトリ同期対象
- ディレクトリ同期間隔
- ユーザー識別属性
- 削除保護機能
- Appendix
- ブラウザ要件
- モダン認証要件
- Office20〇〇クライアント
サーバー基本設計書で記載すること
サーバー基本設計書で一般的に記載される内容は、以下の通りです。
1. 概要
システムの目的、概要
対象となるユーザー
システムの範囲
2. システム構成
サーバーの種類、数
OSの種類、バージョン
ミドルウェアの種類、バージョン
ネットワーク構成
ストレージ構成
3. 機能設計
各サーバーの役割
提供するサービス
処理の流れ
4. データベース設計
データベースの種類、バージョン
テーブル設計
インデックス設計
5. セキュリティ対策
認証方式
アクセス制御
脆弱性対策
6. パフォーマンス
性能要求
負荷試験計画
7. 運用・保守
バックアップ計画
モニタリング
異常時の対応
8. スケーラビリティ
システムの拡張性
9. その他
注意事項
用語集
各章の記載方法
1. 概要
簡潔かつ具体的にシステムの目的を記述します。
対象となるユーザーの属性や利用シーンを明確にします。
システムの範囲を明確にすることで、設計範囲を限定します。
2. システム構成
図を用いて視覚的にシステム構成を表現します。
各サーバーの役割を明確に記述します。
ネットワーク構成図は、IPアドレスやポート番号などを含めて詳細に記述します。
3. 機能設計
フローチャートやシーケンス図を用いて処理の流れを可視化します。
各機能の入出力、例外処理などを明確に記述します。
4. データベース設計
ER図を用いてデータベース構造を表現します。
テーブル設計では、カラム名、データ型、制約などを定義します。
5. セキュリティ対策
採用するセキュリティ対策を具体的に記述します。
脆弱性に対する対策も明記します。
6. パフォーマンス
性能要求を数値化し、目標を明確にします。
負荷試験計画を詳細に記述します。
7. 運用・保守
バックアップ計画では、バックアップ対象、頻度、保存期間などを記述します。
モニタリングでは、監視項目、閾値などを定義します。
8. スケーラビリティ
システムの拡張性を考慮した設計であることを記述します。
将来的にシステム規模が拡大した場合の対応策を検討します。
9. その他
設計書全体を通して共通して使用する用語を定義します。
設計に関する注意事項を記述します。
サーバー基本設計書を作成する際のポイント
要件定義書と整合性を保つ
図を多用して視覚的にわかりやすくする
詳細かつ具体的に記述する
関係者全員が理解できる平易な言葉で記述する
レビューを繰り返し、品質を高める
まとめ
サーバー基本設計書は、システム開発の成功に不可欠な文書です。
詳細かつ正確な設計書を作成することで、開発期間の短縮や品質の向上に貢献することができます。